城址にある相馬神社・中村神社・小高神社

2021年12月15日

相馬中村神社

相馬にはさまざまな魅力をもった観光名所がありますが、そのひとつに掲げられるのが相馬神社です。

この相馬神社は福島県のなかでも旧社格としては県社に位置づけられる神社で、相馬市の居城である相馬中村城の本丸のあった場所に鎮座しており、市街地のある平坦地からそれなりの高さを登った坂道の頂上になります。

俗に「鎌倉四天王」とうちわれた相馬師常は、名門相馬氏の初代であり、源頼朝の家臣として奥州征伐にも随伴して功績を残しています。その相馬師常を祀る神社として明治13年に建立されたのがこの神社です。その際、あわせて相馬氏代々の守護神として崇敬されてきた妙見菩薩、神仏習合する以前の姿としての天御中主神と、相馬一族の始祖である平将門も祀っています。

この相馬中村神社のある城跡は「馬陵公園」として整備されており、600本にものぼるソメイヨシノが観光客の目を楽しませています。門を入ってすぐのところに普通車30台程度は収容できる無料の駐車場も用意されています。

相馬神社は江戸時代後期から明治時代にかけて流行した藩祖を祀る神社のひとつであり、類似する事例としては南部氏の櫻山神社、水戸徳川家の常磐神社、島津家の照國神社など枚挙にいとまがありませんが、相馬神社よりも同じくこの城跡に鎮座する相馬中村神社のほうがより古い由緒を伝えています。

相馬中村神社は平将門が承平年間に下総国猿島郡に建立した妙見社とされ、以来妙見神は相馬氏にとって特別な存在でしたが、関ヶ原の戦い後の微妙な情勢のなかで本領安堵に成功した相馬利胤が、江戸時代はじめに中村城内に妙見社を建立したのが、現在に続いているとされています。

社殿は寛永20年に2代藩主・相馬義胤が建立したものですが、参道の石段を登った先にあるかなりの豪壮なもので、国の重要文化財にも指定されています。馬とは切っても切れない関係だったことを示すように、この建築物には馬の装飾なども採り入れられています。屋根も近年の改修工事の結果としてもとのこけら葺きに戻されていますので、より昔の姿を堪能することができるようになったといえるでしょう。

また、この神社の境内ではポニーが飼育されており、社務所に200円を納めてにんじんの餌やりをすることができます。もともと体長が小さな種類のアメリカンミニチュアホースなどは、大人になっても大型犬程度の大きさのため、神社に参拝に訪れる子どもたちにも怖がられずにのんびりと平穏に暮らしています。

相馬地域にはいろいろと見どころがありますが、なかでも相馬中村神社、相馬太田神社、相馬小高神社という、いわゆる「相馬妙見三社」は外せないスポットといえます。

前出のとおり戦国大名としても有名な相馬氏は、もともと下総国、今の千葉県の相馬御厨を本拠としていたといいます。鎌倉時代にその一族が陸奥国に下向したために陸奥国にも相馬氏の流れが生まれ、特に南北朝時代には北朝方の相馬重胤が南朝方の攻撃に備えて小高城を築いていますが、これが実は現在の相馬小高神社の敷地となっています。城といっても江戸時代のものとは違ってかなり粗末なものだったと思いますが、その鎮守神に祖先の平将門が信仰していた妙見菩薩を祀ったのが、小高神社のはじまります。したがって、小高神社・中村神社・相馬神社とも城跡に築かれているという共通点があります。

小高城はしばらく相馬氏の本拠となったわけですが、江戸時代には相馬中村城のほうに本拠が移りました。移った先の中村城にあるのが中村神社です。もっとも小高城址のほうにも妙見菩薩は江戸時代を通じてそのまま祀られていて、明治時代に廃仏毀釈で仏教系の妙見菩薩の像は別当寺に移され、あらためて妙見菩薩と同体とされていた神道の天之御中主神を祀る神社として独立しています。

この城は別名を「紅梅山浮舟城」というそうで、現在は春の桜の名所としてはかなり知られた存在となっています。桜の名所もいろいろですが、ここは城跡のために小高川沿いの切り立った地形の上に建てられていることもあって、かなり見晴らしのよい場所です。そのようななかで綺麗な桜の花を楽しむのも悪くはないはずです。

また伝統の「相馬野馬追」は三者合同のお祭りですので、甲冑を着けた騎馬武者たちがこの境内にもあふれます。相馬野馬追はこの地方では一大イベントですが、もちろん全国的にもこのような行事が現在まで続いているのはめずらしく、全国規模で観光客が訪れます。江戸時代と同様に、相馬家の当主を迎えることができるというのも、やはり伝統が息づいている証拠ともいえるでしょう。

石段の下には駐車場も十分にありますので、ここに自動車で来る人も心配はいりません。実は石段とは別に、境内の脇のほうから自動車に乗ったまま境内の上まで行ける砂利道がありますので、こちらから直接上まで行ってしまってもかまいません。近くに社会福祉協議会の福祉施設があり、そのあたりに小高神社の看板が出ていますので、その看板を目当てにしていけば自動車で境内に登るにも間違いがないはずです。

常磐線の小高駅で降りて徒歩で神社まで行くこともできます。15分程度も歩けば到達できるはずですので、自動車がなくてもそれほど困難なことではありません。

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