三陸・常磐自動車道の全線開通

道路名所旧跡

三陸自動車道

平成23年の東日本大震災は、太平洋沿岸部をはじめとした地域に多大の犠牲を強いたほか、世界的にも影響を及ぼしましたが、その後の復興計画は迅速に行われ、さまざまな事業が施工段階まで移されました。
そのなかでも三陸沿岸地域で特に脆弱な交通インフラを整備する試みとして、復興道路や復興支援道路が計画され、長年にわたって整備され続けてきた結果、この12月18日にようやく三陸沿岸道路の仙台・八戸間359キロメートルが全線開通することになりました。

三陸縦貫自動車道、三陸北縦貫道路、八戸・久慈自動車道からなる復興道路のうち最後まで工事が残っていたのは普代から久慈までの区間で、中間には普代北インターチェンジ、野田インターチェンジ、久慈宇部インターチェンジと久慈南インターチェンジの4か所のインターチェンジが設置されるとのことです。ただし、野田インターチェンジを除いた3か所は、一方向のみからしか利用することができない、いわゆるハーフインターチェンジになるとのことです。

三陸道全体を通してみると、この全線開通がなったことで、八戸から仙台の間が、震災前の時点では8時間30分以上かかっていたものが3時間30分近く短縮されて5時間程度で結ばれるようになるとのことで、かなりの時間短縮になったといえます。
くわえて復興支援道路として宮古から盛岡を結ぶ宮古盛岡横断道路の延長66キロメートル、栗原から登米を結ぶみやぎ県北高速幹線道路の延長24キロメートル、釜石と花巻を結ぶ釜石自動車道の延長80キロメートル、相馬と福島を結ぶ東北中央自動車道の延長45キロメートルがあり、縦方向の移動だけではなく、横方向の移動もスムーズになります。

これまで三陸沿岸といえば国道45号による移動の手段しかなく、高速走行できる道路といえば東北自動車道まで大きく迂回しなければならなかったことから、マイカーをはじめとして、トラックなどの物流に関連する分野でも大きな足かせになっていました。基本的にリアス式海岸に代表される複雑な地形、太平洋岸の切り立った断崖といった、平野部とはまち異なる地形的な制約から、なかなかまともな道路が発達しなかったという経緯はわかるのですが、それが震災時の住民の避難であったり、支援物資の輸送といった点に影響を及ぼすことが明らかになったことから、地元としては改善の要望は大きかったといえます。

そこではじまった工事も10年の歳月がかかったわけで、工事期間中はとぎれとぎれに高速道路があって、なかなか使いにくいという印象がありました。ダンプカーがひっきりなしに走る道路であるにもかかわらず、車線や路肩は狭く、工事未了区間に近づくと強制的に高速道路から降ろされてすぐに一般道と合流してしまうため、加速減速の加減もなかなかしにくく、事故寸前の恐怖にヒヤリとさせられることは多々ありました。そうした道路環境がいよいよ解消されるのは、感慨深いものがあります。

常磐自動車道

もうひとつ、東京から北上して相馬まで至る上でなくてはならない交通インフラが常磐自動車道です。
全線を通して見れは、東京外環自動車道の三郷ジャンクションから、北は亘理インターチェンジまでつながる300キロメートル以上の延長をもつ高速道路です。この高速道路はさいたまや成田へのアクセスを担う首都圏中央連絡自動車道、高崎やひたちなか方面とつなぐ北関東自動車道、いわきから会津・新潟方面に至る磐越自動車道、そして仙台東部道路に接続しています。

そういえば東日本大震災のころは被災者支援の目的で証明書を持参した地元民の通行料金を無料とする措置がとられていたはずで、私も市役所の支所の窓口に並んでかなり待たされた挙げ句に証明書の発行を受けて安堵したことがあります。

三郷インターチェンジから亘理インターまで通しで通行すると、普通車6940円ほどです。ETCを積載した車であれば走行した日時などにもよりますが、平日朝夕割引や深夜割引などがあるのでかなり有利ですし、途中のスマートインターチェンジでも乗降が可能です。

常磐自動車道にもサービスエリアやパーキングエリアがいろいろとあり、路線図をはじめサービスエリアの設備や出店している店舗などの情報は東日本高速道路株式会社の公式ホームページなどで見ることができますが、これらの施設で配布している地図付きのPR誌なども大いに役立ちます。

常磐自動車道のサービスエリアやパーキングエリアは、南から来ると守谷サービスエリアが筆頭になりますが、福島県域では、湯ノ岳・四倉・ならはパーキングエリアを経て南相馬鹿島サービスエリア、そして鳥の海パーキングエリアです。ならはパーキングエリア・南相馬鹿島サービスエリア・鳥の海パーキングエリアはそれぞれ一般道に接続するスマートインターチェンジを併設しており、これも原発事故で避難路確保の重要性を痛感したこの地域らしい配置といえます。

一時期は二輪車での走行は禁止、自動車も窓を閉めて素早く通過するというのがデフォルトでしたが、現在は常磐自動車道を二輪車であっても通過することができるようになっています。あとはできれば4車線化がすみやかに完成することが悲願となっていますが、すでに北方の山元インターと岩沼インター間は4車線化し、いわき中央インターから広野インター間も2021年6月に4車線での供用を開始しました。4車線化されていればそれだけ交通容量は増えますし、遅い車が走っていたときの追い抜きも容易になります。