難しい記帳と電子帳簿のこと

2021年12月15日

日の出

まだ余裕があると思っていると一瞬で過ぎ去ってしまうのが時間ですが、来年のこととはいえそろそろ確定申告の準備をしなければならない時期になってきました。
相馬市、南相馬市の2市と双葉郡、相馬郡内の管轄は相馬税務署であり、JR相馬駅前の目抜き通りを西へ進んだ市街地にあります。
記帳についてもなかなかわからないことも多いので、税理士を通じていろいろと聞いてみました。

事業をするのであれば経費帳、売上帳、仕入帳、現金出納帳、貸借対照表、損益計算書などがあるものの、事業規模によっても異なり、小規模であればたとえば預金明細に取引内容を付け加えて記載しておくなど、必ずしも別に作成しなくてもよい場合があるとのことです。月次ほかにもさまざまな帳票が考えられますが、事業形態に応じて作成の必要があるのであれば備え付けておく対応でよいものの、作成した以上は所定の年限保存しておくことになるということでした。

もしも将来的に消費税の課税事業者となる場合には、消費税の課税・非課税・不課税といった欄を帳簿上に設けるなどする必要がありますし、税法上、資産の譲受けや役務の提供にあたるものを広く仕入れとして計上し、個人事業主であれば場合により家事按分などもして計算さなければならないということです。

消費税の計算は、簡易課税ならば課税売上げからみなし仕入率をもって計算した部分を差し引いたものを納税することになりますが、不課税分を除くなどいろいろと下準備があります。

消費税に関連しては、早晩インボイス制度への対応が求められます。税務署のほうでも記帳指導などの機会にインボイス制度を周知することを重要視していて、パンフレットなどを配布しているそうです。一般の消費者との取引だけがメインの場合は逃れられたにしても、企業が主な取引先となっているような場合には、もしもインボイス制度への対応を怠ると、適格請求書を発行することができなくなります。

適格請求書がなければ、相手の取引先では仕入税額控除の適用を受けることができなくなってしまいますので、実質的な売上減につながります。これに嫌気がさしてインボイスを発行できる課税事業者だけを取引先とすることは、企業の論理としては当然ですがあり得ることで、逆にいえば、インボイスを発行できない免税事業者のままでいると、だんだんと取引の解消を迫られてしまうおそれがあります。

すでに事業者の登録は令和3年10月から開始されていて、猶予期間がまだあるとはいっても、それほど先の話ともいえません。小規模事業者であれば経理上煩雑にならない簡易課税が認められていますし、難しい判断ですが、今のうちから考えておいてもよいかもしれません。

もうひとつの不安要因に、電子帳簿保存法への対応が挙げられます。
これまでインターネット上での取引でpdfファイルなどの形式で送信されてきた領収書や請求書などであっても、大抵は紙にプリントアウトした上で保存すればよかったものが、令和4年1月1日施行の改正電子帳簿保存法によって、紙での保存が原則認められなくなるそうです。

もっとも法改正があったとはいえ、多くの事業者、特に零細な個人事業主にとっては唐突にはじまって周知もほとんどない制度とあって、各種の会計システムのベンダーをはじめ、ソーシャルネットワーキングサービス上の一般の人たちなどからも苦情が相次ぎ、施行直前のこの時期になって、国税庁のほうから紙での保存を引き続き当面の2年間は認める宥恕規定を含む規則が発出される見込みという報道もあります。

まだ正式に規則が公布されたという話も聞きませんので、実際のところどうなるのか予断を許さないとも思います。国の方針に振り回されるのはいつものことですが、今回も宥恕規定ができるとはいえ、申請方式で税務署長の承認が必要といった面倒なことになるかもしれず、まあ期待したとおりにはならないのでしょう。

しかしいずれ電子帳簿は整備しなければならないことは自明ですので、とりあえず1月1日までにできる準備はしておくのが無難と思い、最低限で体制を整えてみました。

電子書類に付与するタイムスタンプなどは、大手のベンダーで用意しているクラウドサービスに大金を支払って任せるよりほかはないかと落胆していたところ、探せば意外にも無料でサービスを提供しているところもあるもので、さっそく登録して利用することにしました。ダウンロードしたPDFファイルをadobe readerで確認してみたところ、タイムスタンプはしっかりと押されていたのでひと安心です。ただ、電子ファイルを得意先からもらうたびにいちいちクラウドサーバにアップロードしてタイムスタンプを押してダウンロードするといった一連の手間が発生するのでは、本来は効率化のために導入されたはずの電子化の意味があるのかどうか、なかなか疑問なところではあります。

ほかに検索のシステムも導入という話ですが、こちらも有料のサービスほ使うほどの文書は発生せず、さりとて何もしないで済むほど文書がないわけでねないため、とりあえず国税庁が例示している方式にしたがって、電子ファイルのタイトルを 発生日_金額_相手先名称.pdf のような形式にしてフォルダに保存しておくことにしました。

フォルダに格納されているファイル名を自動的に読み取ってcsvファイル化するフリーソフトを利用して、索引簿のようなものは作成できそうなので、こちらも問題はないと思われます。

これでどうにか1月1日を迎えても特に平気な状態にはなりましたが、そもそも論として電子化の要件が硬直的すぎて小規模事業者にとっては現実的選択肢があまりないのが問題なので、いずれかの機会に緩和策が出てくるとよいとは思います。宥恕期間の2年というと、消費税のインボイス制度の導入時期とも重なり、今後はなかなかに経理関係では大変な時代になるのかと今から身構えています。

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